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第14話 俺が選んだ妻

Author: 板野かな
last update publish date: 2026-09-12 18:00:08

 茶会の日。

 春の光が差し込む客間には、白い都忘みやこわすれが慎ましく咲き、香炉からは淡い香りが漂っていた。

 麗香れいかは、訪れる客を一人ずつ迎えた。

 軍の重鎮とその夫人。

 御影家と付き合いのある華族。

 年配の者もいれば、麗香とさほど歳の変わらぬ令嬢もいる。

「御影少将、ご結婚なさったとは伺っておりましたが。こちらが?」

 年配の夫人が、麗香へ目を向けた。

「ああ。妻の麗香です」

 さくに紹介され、麗香は静かに頭を下げる。

「御影麗香でございます。本日はお越しいただき、ありがとうございます」

「あらまあ。桐生家のお嬢様でしたのね」

 夫人の目に、一瞬だけ好奇の色が浮かんだ。

 桐生家の·香。

 九条家との婚約破棄。

 そして、御影朔との突然の婚姻。

 帝都の社交界で噂にならないはずがない。

 それでも麗香は微笑みを崩さず、客を席へ案内した。

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